スイスフラン介入中止で急騰
今日の投資コラムは、私が徹夜で臨んだ、スイスフランです。
スイスフランの事は、過去にも投資コラムで触れており
為替市場の中でも変わり種の通貨で
投機的な要素として、面白いと思って見ていました。
おさらいも含めて、スイスフランの事をご説明しますと
スイスは、ユーロ圏には加入しておらず
独自の通貨、スイスフランを保っています。
スイスは、有名なプライベートバンクがあったり
欧州の中で、優等生の国の一つです。
そのため、過去からスイスフランに対する信用は高く
国際的に信頼の高い通貨として見られています。
一方で、あまりにスイスフランが買われるため
(ユーロが弱いというのがありますが)
スイス国内の輸出産業に、ダメージを受けると判断し
無制限の介入を行うことを公言して実施していました。
そのラインとして、1ユーロ=1.2スイスフランより
スイスフラン高にはしないという宣言をしており
これを超えそうな場合は、スイスフランを売りまくって
スイスフランの価値を操作するということをしていました。
固定相場や、ペッグ通貨などはありますが
スイスフランの場合は、上限だけを固定するやり方で
この方法は、外貨を買って介入するのとは違い
自国の通貨を売るだけで良いので、無制限に介入できるとして
市場でも評価の高い、介入方法となっていました。
長い間、この1ユーロ=1.2スイスフランという
防衛ラインをしっかり守っていたので
これを利用したトレードをする人が多かったのです。
つまり、1ユーロ 1.2スイスフランに近づいたら
スイスフランを売れば(ユーロを買えば)
必ず儲かりますよというのを、スイスの中央銀行が保証していました。
これもあって、1.2に近づくとスイスフランを売る人がいて
良い具合に相場がコントロールできていたというのもあります。
(フラン高にならない)
ところが、突然、昨日の夕方に
スイスの中央銀行が、何の前触れもなく
1ユーロ=1.2スイスフランを止めることを発表したのです。
これまでは、どんな事があっても死守すると言っていたのに
手のひらを返したかのように、いきなり撤廃しました。
このニュースは、世界的に大きな波紋を広げました。
為替相場は、1ユーロ 1.2スイスフランだったものが
介入を注意することを発表してからすぐに
1ユーロ 0.86スイスフランへと
ほんの5分くらいの間に、30%もの為替が動きました。
たった、5分の間にです。
この発表を受けて、ユーロが急速に売られて
スイスフランが買われる形になり
世界の為替市場が大きく動きました。
来週は、ECB理事会が予定されていますが
そこで、ユーロは追加金融緩和に踏み切ると見られています。
こうした動きを踏まえて
ユーロを買って、スイスフランを売り続ける介入を続けるのは
かなり無理があると、スイス中央銀行が判断したのではないかと
言われています。
いつか、こういう日がくると思っていましたが
まさかその日が、昨日だとは思いませんでした。
数年に一度、こういう大相場の日があります。
大相場と言っているのは、破産者が出たり
証券会社が倒産したりするレベルの急変動です。
ここ最近では、東日本大震災の原発事故の日。
リーマンショックの日などが当たります。
そして、昨日のスイスフラン防衛ラインです。
株式投資しかやらない人は分からないかもしれませんが
5分間で30%為替が動くというのが
どれほどの事かというのを説明しておくと
元金50万円でユーロ・スイスフランを取引(レバレッジ25倍想定)すると
5分で3000万円くらいが損益が動くということです。
投資する方向によって、50万円の元金が
3000万円のプラスになるか、3000万円の追証になるかです。
じきに、証券会社が損失を発表するのも出てくるのではないかと思います。
私は、この事態を想定していたので、スイス中央銀行を信用して
「必ず儲けさせてくれる取引」
に参加することはせずに、むしろ破綻時のチャンスを狙っていました。
スイス中央銀行を信じれば、非常に固い投資ですが
ハシゴを外されたときの損失が、シャレになりません。
ちなみに、日本のFX会社は元金以上の損失が発生した場合
信用取引と同じように、追証が発生するのが普通です。
つまり、元金以上に損失を被る可能性があります。
ところが、海外のFX会社は、追証はありません。
元金以上の損失を被ることはありません。
私は、とても日本のFX会社を使おうとは思いません。
レバレッジ云々より、これは大きな違いです。
今、世界的に、中央銀行が、様々な政策を出していて
金融面から経済の支援をしています。
ただ、無理のあるやり方というのは、ヒズミが貯まっていき
どこかで一気に爆発するときというのが、必ずやってきます。
日銀も国債買入枠の増額やETF買入などを行い
支援をしていますが、この仕組みがずっと続けられるとは思いません。
日本でも(日本に限らずですが)同じような事が起こると思って
無理のある金融施策というのは、常に警戒しておく必要があると思います。
いつハシゴを外されるか、全く分からないのですから。
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